三大学のさらなる発展に向けて
運営協議会委員長
北海道大学 理事・副学長
山 口 淳 二
北海道大学は、文部科学省が平成26年からはじめた「科学技術人材のコンソーシアムの構築事業」の下で、東北大学、名古屋大学と協働して博士研究人材育成を目的としたコンソーシアムを立ちあげ、連携プログラムの開発と若手研究人材育成に取組んでまいります。
人材育成の仕組みは短期間で構築できるものではありません。私たち三大学の強みは、これまで高い評価を受けてきた人材育成事業でのノウハウの蓄積があることです。各大学が独自に築いてきたしっかりとした仕組みがあるからこそ、コンソーシアム事業で連携することにより、一層の相乗効果が得られています。これら三大学の強みを活かして、任期付き助教および博士人材(PD・DC)を対象とする科学技術人材育成プラットフォームの構築、そして次世代を担う科学技術人材の育成に取組んできました。振り返りますと、これまでの6年間の活動により私たちが得たものは大変大きなものですし、またそのような成果はひとつの大学の活動だけで成し遂げられるものではなかったと思います。
本事業は、任期付き助教等を対象とした「次世代研究者育成プログラム」とPD・DCを対象とした「イノベーション創出人材連携育成プログラム」の2種類のプログラムで構成されています。「次世代研究者育成プログラム」は、若手研究者のためのセミナー等の相互利用はもとより、交流活動推進、多様な支援制度、認定制度、ファシリティーの相互利用など多岐に渡っており、若手研究者のための充実したプラットフォームが構築され、その結果として三大学の連携をより一層強固なものとしてきました。一方、「イノベーション創出人材連携育成プログラム」は、博士人材の育成を地理的な距離や組織の壁を越えて協力する仕組みを構築したものです。これは国公私立12大学が連携する活動へと発展し、今回のコロナ禍のような状況においてもより一層柔軟に機能しています。
将来を担う若手研究者育成のために、今後も三大学の連携活動に取組む所存です。皆様の変わらぬご理解とご支援をよろしくお願い申しあげます。