企業分析のポイント

企業分析のポイント

◆「あなたが出会う企業」
赤い糸会には様々な分野の企業が参加されます。
皆さんが将来働く企業かもしれませんし、もしくは共同研究する企業かもしれません。
専門的な出会いもあれば、思いもよらない分野との出会いもあるかもしれません。
運命の出会いはどこではじまるかわかりません。

◆「まずは訪問してみる」
今回出会う企業のHPを是非覗いてみてください。HPは、皆さんが企業の方と出会った際に聞きたいこと、お話したいことなどが書かれている宝の山です。
どんな研究開発を行っているのか、何を目指しているのかをざっと調べることもできます。
自分たちの会社について知ってもらうために、企業のHPには興味深い内容がたくさん書かれています。

◆「データから分析!」
博士の皆さんは分析のスペシャリストなので、“有価証券報告書”を読むことができます。
有価証券報告書は企業の「情報のかたまり」です。
これを読むことで、レベルの違う情報を入手できます。
気になる企業のHPにアクセスし、IR(Investor Relations) LibraryやIR資料室、IRレポート、IR報告書などのページをみると、有価証券報告書が掲載されています。
有価証券報告書は上場企業に法的に開示が義務付けられた投資家向け情報で、研究開発方針から事業リスクまで、企業が言いたくないことも含めて本当のことが書かれています。

有価証券報告書を読むメリットは
・真実のデータが読める!
・研究開発方針がしっかり書いてある!
・どんな分野に注力しているかがわかる!
・企業の方と話す際に会話のレベルが全く変わってくる!!などなど
です。

目次をみると、【主要な経営指標等の推移】【研究開発活動】【従業員の状況】など様々な情報が掲載されています。
これらをみることで、企業が研究開発にどれくらい投資しているかなども調べることができます。

【有価証券報告書の見方の一例】
“売上高研究開発費比率”をみてみる。
「たくさん売上がある企業」がどれだけ研究費を使っているかという比率です。
その売上げを元に企業が何をしているのか、全て書かれているのが有価証券報告書です。
例えば、「売上げが多ければ研究費を多く使っていることになるのか?」などもわかってきます。

例をひとつあげてみましょう。

≪前提条件≫
多くの場合、企業の研究開発投資額の約半分が人件費です。
残りの半分は研究開発費です。

★ケース1 A社
売上高が2.7兆円、研究開発投資比率が1%とする場合、
人件費が135億円、残りの135億円が研究にかけるお金となります。
★ケース2 B社
売上高が8000億円(A社の約1/3)、研究開発投資比率が25%とする場合、
人件費が1000億円、残りの1000億円が研究にかけるお金となります。

B社はA社に対して、研究開発費がかかる事業だということがわかります。
ただし、その企業がどんな事業を行っているのか、総合的な判断が必要となります。
同じ業界であれば、どちらの企業が研究に注力しているかを推定できます。

“研究開発活動”をみてみる。
研究開発活動の課題では、企業の現状、方針、どこに注力しているかなどを読みとることができ
ます。

③その他、“事業の状況”“業績等の概要”“対処すべき課題”“事業等のリスク”なども読んでみる。

【その他の資料】
次のページ等にある“中期経営計画書”“研究開発戦略説明会資料”なども読んでみる。